「国東」ってどんな場所だろう?
そんな夫の一言がきっかけで、
朝から二人で福岡を飛び出した。
国東の文字を見たのは先日出かけた「福岡三越」でのこと。その日、たまたま開催されていた「国東フェア」に立ち寄った際、ワタシが美味しそうな海産物やシイタケを物色している時にアナタはなぜか大量のパンフレットを抱えていた。この時きっと彼の頭の中は国東で溢れていたに違いない。それから一週間後、福岡から約2時間半の国東の旅が始まった。
海の幸を贅沢に使ったご当地メシ
銀たちの郷
国東のブランド魚、太刀魚の「銀たち」が味わえる。刺身などの定番の料理はもちろん、特製のタレでいただく「太刀重」はここの名物料理。ふわっとした太刀魚の食感と甘みのあるタレ、アクセントになるシソの取り合わせが絶妙。
[ 銀たちの郷 ]国東町小原2662-1 道の駅くにさき内 / tel:0978-73-2170
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美味しい食事の後はちょっと
歩いてみない?
いたずらっ子のような顔で
夫は山へと誘った。
向かったのは旧千燈寺跡から五辻不動を巡るトレッキング。緑の木々を抜ける道は気持ち良く自分でも驚くほど歩いた。体力も限界と思ったときに現れたゴームリー像からの景色に、夫のいたずらもたまには悪くないと思ったのは内緒にしておこう。
国東半島峯道ロングトレイル
国東半島で古くから行われてきた六郷満山峯入行(ろくごうまんざんみねいりぎょう)をベースに、トレッキングやウォーキングの醍醐味を味わうことができる全長約130キロのトレイル。自然あふれる里山や奇岩が立ち並ぶ山々、寺社仏閣や石仏などジャンルに富んだ景観と道のりを楽しめる全10ースを設定。
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現在も増え続ける国東の現代アートたち
2014年に開催された「国東半島芸術祭」を機に、国東市内にも7つの作品が展示されている。国東の自然に溶け込むアートを探すのも国東旅行の醍醐味の一つ。
『ANOTHER TIME XX』アントニー・ゴームリー
[ 場所 ]国見町千燈
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工房ラパロマ
「次はワタシの番ね」と向かったのは
国東の作家作品が集まるギャラリー。
国東に行くなら立ち寄りたいと思っていた場所はワタシにもあった。
それが「国東フェア」で偶然知った「涛音寮」。
日本庭園の前でお茶を味わった後は、
国見ギャラリー通りを歩こうと夫を誘った。
涛音寮(茶房さんがいや)
伊美港近くに位置する「涛音寮」は、明治の中頃に建てられた木造三階建ての建物で、館内には屏風などの表装作品のほか、国東の作家を中心とした作品を展示販売。併設する「茶房 さんがいや」はお食事や喫茶スペースとして利用できる。
[ 涛音寮(とういんりょう) 茶房さんがいや ]国見町伊美2017 / tel:0978-82-1328 / https://www.touinryou-sangaiya.com/
工房ラパロマ
大正ロマン溢れる趣きのある宿で
今日の疲れを癒す。
これこそ旅の醍醐味。
美しく手入れされた中庭と海を眺める天然温泉の存在に期待感は最高潮に。ゆっくりとした時間が純和風の部屋に流れ、二人だけでも飽きないものだと感慨にふける。国東の幸をふんだんに使った夕食と国東の地酒「西の関」に舌鼓を打ち、贅沢過ぎる1日を締めくくった。明日はどんな国東を見られるのか、期待に胸が弾む。
海喜荘
大正11年に建てられた本館と鯉が泳ぐ日本庭園が印象的な割烹旅館。大正の香りが漂う空間と地元の素材を贅沢に使う料理、そして家族湯で味わう天然温泉がこちらの魅力。
[ 海喜荘 ]国東町鶴川452 / tel:0978-72-0059 / https://kaikisou.com
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林田かまぼこ店
眠たい目を擦って見た日の出と
揚げたてのたこ天の味に出会えたことが
この旅の素晴らしさを物語っている。
いつもはグータラと遅くまで寝ている夫が今朝は日が昇る前に起床。
眠たいワタシの腕を引いて急いで伊予灘へ向かった。なるほど、夫はこの日の出をどうしても見たかったのだ。自慢気な夫の横顔はさておき、圧倒的な美しさにこっそり感動した。
おみやげ探しのために立ち寄った「林田かまぼこ店」で揚げたてのたこ天を発見。
こんなの美味しいに決まってる!と言いながら
日の出と同じぐらい感動するアナタはあの日と何も変わらない。
林田かまぼこ店
国東の土産処情報
梅園の里
雑念を忘れる坐禅体験から
欲を刺激するバイキングへ。
お昼ご飯の前に紅葉の名所「文殊仙寺」へ。真っ赤に染まった境内を並んで歩いていると、住職に坐禅もできますよと声をかけられた。
文殊仙寺の静けさと澄んだ空気に包まれているようで、雑念が抜けていく。心も体もスッキリして文殊仙寺を後にすると空腹感に襲われたのでランチバイキングが人気の「梅園の里」へ。地元の素材をふんだんに使うさまざまな惣菜を目の前にすると、抜けた雑念がまたフツフツと蘇ってきた。
文殊仙寺
日本三文殊の一つとして千三百年の歴史が今なお受け継がれる古刹霊地。御本尊の文殊菩薩は智恵第一の仏として信仰され、学業成就や合格祈願で多くの人が訪れる。毎月25日は文殊菩薩の縁日にあたり、その日の11時から縁日護摩が厳修される。
[ 文殊仙寺]国東町大恩寺2432 / 0978-74-0820 /https://www.monjyusenji.com
梅園の里
七島藺工房 ななつむぎ
祈りを込めて編むミサンガにも、
二体の仁王が守る参道にも、
ここに訪れた人の想いがきっとある。
国内では国東半島のみで栽培されている「七島藺(しちとうい)」。それを使ったアクセサリーが見たいと夫に話し「七島藺工房 ななつむぎ」へ向かった。美しく編み込まれたミサンガに一目惚れしたので二つ購入。
思い立ったように訪れた国東の二日間
旅の最後に訪れたのは、国東の古刹「両子寺」。仁王が守護する美しい参道を通り本堂へ。手を合わせる二人の腕にはお揃いのミサンガが飾られている。
心洗われる雰囲気の中「国東っていいね」と顔を見合わせた。
両子寺
国東半島のほぼ中央に位置し、江戸時代六郷満山寺院の総持院であった。特に子授けの寺として有名であり、参道の仁王像は国東随一の威容を誇っている。また国東を代表する紅葉の名所で、11月には真っ赤に色づいた境内を拝観しに県内外から多くの人が訪れる。
[ 両子寺 ]安岐町両子1548 / tel:0978-65-0253 / http://www.futagoji.jp/